ICF-5900の場合



入荷後最初にすることは、欠品箇所を確認して音がなるかの確認をします。
本機体の場合はアンテナが根元からなく、ライトプレートの欠品もあり、
音はガリはあるものの、受信はしていました。
幸いアンテナのポップアップレバーの機能は生きていました。



ツマミ類に緑青も少なく、なかなかの品物だと思います。
X-TAL MARKER部分の白く擦れた痕が少し気になる程度。

修理の場合は当然最初に欠品や大きな傷がある場合は、お客様に
問い合わせをさせていただいております。(欠品部分の補修など)



バック側の欠品は調整部分の目隠し板がありません、あとはタバコのヤニの
汚れが目立ちます。大きな傷もなく綺麗にし甲斐のある筐体です。



後ろのネジ4本、スピーカーのリード線を2本はずし外筐をはずします。
少し見にくいですが、ICF-5900のSメーターの針は緑色の塗料がカサカサに
乾いてボロボロと剥がれているものがほとんどです。Sメーターを分解し、塗料
を塗り綺麗にします。針の動きが悪いのもこの時に修理しておきます。
電池端子の錆も同時に掃除します。



Sメーター・基板・ダイヤルフィルムをはずした状態のサブシャーシです。
ダブルギアはずれない様に爪楊枝等を差し込みテープで固定してあります。



メイン基板裏面。バリバリとマグレーションがあったためトランジスタを
交換してあります。



表面。バンド切り替えスイッチは内部の汚れがひどいものは分解清掃、
この機体は汚れが少ないため潤滑・防錆剤をさしてあります。
各種VOL ・スイッチも同様に処置してあり、左下に見えるジャック部の接点も
掃除してます。
サブシャーシに戻して、各バンドの周波数のずれメモリ合わせ、SGで最小
に周波数校正をし、トラッキング調整も、SGにて最良状態にします。




ツマミ類ですが、銀メッキ部分は研磨剤で研磨します(本体のスイッチ・アンテナ
も同様に研磨してあります)。洗浄後にワックスを付けて小物類は完了です。



外筐も洗浄後にワックス塗布します。やはりX-TAL MARKER部の擦過痕は
消えませんでした。洗浄は強い洗剤を使うと即白いプリント部分がめくれるので
注意が必要です。



調整部分の目隠し板はジャンク品から流用。アンテナとライトプレートも同様に
してあります。アンテナはなんとかしますが、ライトプレート・SONYマークなどは
欠品が多いため、手元にない場合は補充できないときがあります。



一番最初の写真と比べて、綺麗になったのがわかっていただけると思います。
銀メッキ・ツマミを研磨してあるので綺麗に光っています。



大体のものはこれくらいに綺麗にできますが、うちからオークションで出るときは
これだと美品にはなりません。



以上で修理完了です。